> 材料 > 焼入れ鋼HRC55-65の硬旋削・断続切削向けCBNインサート選定

HRC 55~65の焼入れ鋼向けCBNインサートの選定

UHDは、GCr15、20CrMnTi、40Cr、65Mn、Cr12MoVなどHRC55-65の焼入れ鋼を対象に、研削代替となる硬旋削仕上げと断続切削に対応するCBNインサート選定を支援します。連続・軽断続・強断続、長尺外径、精密軌道、溝入れ、旋風フライスなどの加工条件に応じて、刃先の耐摩耗性、耐欠損性、加工安定性を考慮したシリーズ・グレードおよび切削条件の検討に役立ちます。

GCr15、20CrMnTi、40Cr、65Mn、Cr12MoVなど、HRC55–65の焼入れ鋼を量産加工する現場では、研削工程を硬旋削へ置き換えながら、表面品質・寸法安定性・工具寿命を両立させることが重要です。一方、キー溝、給油穴、スプライン、歯形といった形状は断続衝撃を生み、刃先の欠損やチッピングにつながります。

UHDは、被削材硬度だけでなく、連続・軽断続・強断続、長尺外径、精密軌道、溝入れ、旋風フライスという加工条件からCBNインサートを選定する考え方を提供します。まず衝撃への対応力を合わせ、その上で耐摩耗性と仕上げ精度を調整することで、試加工から量産条件の標準化へつなげます。

焼入れ鋼の硬旋削に使用するCBNインサートのイメージ

加工条件から選ぶ:UHD CBNインサート選定表

下記の切削条件は試加工時の参考開始値です。機械剛性、ホルダの突き出し、把握方法、振れ、熱処理ばらつき、冷却方法および加工代を確認したうえで、実機に合わせて調整してください。

材料硬度 代表ワーク 加工条件 推奨シリーズ・グレード Vc
(m/min)
f
(mm/rev)
ap
(mm)
焼入れ鋼
(GCr15/20CrMnTi/40Cr/65Mn/Cr12MoV、HRC55–65)
ギヤシャフト軸受部、軸受リング軌道 連続仕上げ加工(研削代替) Coated CBN Insert → UPN601 120–200 0.05–0.12 0.1–0.3
ギヤ歯元、給油穴・スプライン付きシャフト 強断続切削、荒・中仕上げ Integral Brazed CBN Insert Series → USN650 70–120 0.10–0.25 0.3–1.5
キー溝・給油穴付き部品 軽断続仕上げ加工 Full Face CBN Insert Series → UPN801 80–140 0.08–0.15 0.2–0.6
長尺シャフト、ピストンロッド、風力発電主軸 長距離の連続外径旋削 Full Face CBN Insert Series → BN91 90–140 0.10–0.20 0.2–0.5
精密主軸テーパ穴、高精度軸受軌道 超高精度(ミクロンレベル) Solid CBN Insert Series → UBN S4 80–150 0.03–0.08 0.05–0.15
焼入れ鋼部品の逃げ溝、シール溝 溝入れ・成形加工 CBN Grooving Insert Series 60–120 0.05–0.12 溝幅一発加工
ボールねじねじ溝 高速硬旋風フライス CBN Whirling Insert Series for Ball Screws → UPN608S 200–400 0.05–0.15
(1刃当たり)
0.1–0.3

代表的な工況別の導入ポイント

連続仕上げ・研削代替

UPN601を起点に、安定した切削速度と小さめの切込みで熱と摩耗を管理します。刃先高さ、ノーズR、機械の熱安定性を含めて管理することが、表面粗さと寸法の再現性に直結します。

軽・強断続切削

軽断続にはUPN801、強い衝撃を伴う荒・中仕上げにはUSN650を検討します。欠損対策では、切削条件だけでなく、把握剛性、振れ、断続部の加工代均一化、進退刀経路の確認が重要です。

長尺・高精度・専用工程

長尺外径にはBN91、精密テーパ穴・軌道にはUBN S4、溝入れにはCBN Grooving Insert Series、ボールねじ旋風フライスにはUPN608Sを対応させます。汎用工具で専用工程を無理に加工しないことが安定化の基本です。

量産導入時に確認したい情報

UHDが加工条件に適したCBNインサートの検討を行うためには、以下の情報が有効です。

  • 材料牌号、HRC硬度範囲、熱処理のばらつき
  • 荒加工・中仕上げ・仕上げなどの工程位置、加工代、目標粗さ・公差
  • 穴、溝、キー溝、スプラインなど断続部の位置と数
  • 機械仕様、主軸回転数、出力、チャック・治具、振れ、工具突出し量
  • 現在使用中のインサートと主な損傷形態(欠損、摩耗、焼付き、粗さ変動)

適用範囲

本内容は、HRC55–65の焼入れ鋼に対する硬旋削、仕上げ加工および断続切削を対象としています。強い衝撃、剛性不足、大きな振れがある場合は、工具グレードの変更だけでなく、治具・加工代・切削経路・工具保持系を優先して見直してください。提示した条件は参考値であり、量産前には必ず実加工による検証と条件の固定化を行ってください。

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