1. 粗加工は低速・大切込みを基本にする
可能な範囲で安定した材料層まで切り込み、硬化表層での反復摩擦を抑えます。切込みが小さく、速度が高すぎる組み合わせは、発熱と急な摩耗を招く場合があります。
Mn13・Mn18高マンガン鋼は、切削中に表層が急速に加工硬化しやすく、大切込み、断続切削、衝撃荷重が重なる量産旋削では工具への負荷が大きく変動します。課題は単に「加工できる」ことではなく、異常停止を抑えながら、工具寿命と加工サイクルを管理可能な状態へ近づけることです。
UHD(Henan UHD Ultrahard Tools Co., Ltd)のIntegral Brazed CBN Insert Series「USN100」は、このような高マンガン鋼の粗加工・半仕上げ旋削を対象とする、両面可転位の整体ろう付けCBNインサートです。両面真空一体ろう付け構造と、加工条件を段階的に管理する考え方を組み合わせ、量産導入時の安定性を支援します。
Mn13・Mn18は、未硬化部では一般にHB200~230程度であっても、切削による塑性変形と発熱の影響で表層がHRC50以上まで硬化することがあります。鉱山用耐摩耗部品、鉄道分岐器部品、破砕機部品などでは、加工余量や断続部の変化も加わり、切削熱と機械的衝撃が同時に増大します。
粗加工では切込みが大きく、刃先・ろう付け界面に高い切削荷重と熱サイクルが加わります。
切込み不足や過度な速度は、硬化層を十分に切り込めず、摩擦熱や急速な摩耗を招く要因になります。
余量、装着剛性、断続位置、送り変動の差により、同一工程でも工具寿命が分散しやすくなります。
USN100は、両面真空一体ろう付けを採用した整体ろう付けCBNインサートです。高マンガン鋼の加工硬化と衝撃荷重が重なる条件では、CBN材種だけでなく、ろう付け部を含む工具構造、機械・治具の剛性、加工条件を一体で確認することが重要です。
工具性能は、工作機械の剛性、ホルダの突出し量、ワーク保持、断続の程度、冷却方法、実際の加工条件によって変化します。以下の条件は、現場試削を開始するための目安として使用し、安定性を確認しながら調整してください。
| 加工区分 | 対象材料・代表部品 | 推奨シリーズ/材種 | 切削速度 Vc | 送り f | 切込み ap |
|---|---|---|---|---|---|
| 粗加工 | Mn13/Mn18 鉱山ライナ、ハンマ、ジョープレートなど |
Integral Brazed CBN Insert Series USN100 |
60~90 m/min | 0.25~0.80 mm/rev | 4~10 mm |
| 半仕上げ | Mn13/Mn18 鉄道分岐器部品、破砕機高負荷部品など |
Integral Brazed CBN Insert Series USN100 |
90~135 m/min | 0.20~0.40 mm/rev | 1~3 mm |
上記はMn13/Mn18、未硬化部HB200~230、切削中に加工硬化する条件を想定した開始範囲です。設備能力、実際の余量、断続性および要求寸法に応じて、小さな幅で最適化してください。
可能な範囲で安定した材料層まで切り込み、硬化表層での反復摩擦を抑えます。切込みが小さく、速度が高すぎる組み合わせは、発熱と急な摩耗を招く場合があります。
プログラム上の頻繁な送り変更は、切削厚さの急変につながります。余量変動がある場合も、まず送りを安定させ、切込みと速度を順に見直します。
ホルダの突出しを短くし、刀座接触とワーク保持を安定化させます。長尺物や薄肉部品では、心押台や振れ止めなどの補助支持も検討します。
試削ではVc、送り、切込みのうち一度に変更するのは1項目とし、摩耗形態・加工時間・異常発生位置を記録することで条件の再現性を高めます。
越境B2Bでの試削と量産導入では、判断に必要な情報を最初にそろえることで、確認の往復を抑えやすくなります。UHDでは、材料・工程・失効形態を基にした選定と導入情報の整理を重視しています。
本ページは、加工硬化を伴うMn13・Mn18高マンガン鋼の粗旋削および半仕上げ旋削を対象としています。高精度の仕上げ加工、極小切込み、超低粗さが主目的の工程では、要求精度と加工条件に適した別の工具形状・材種を検討する必要があります。
高マンガン鋼の安定加工には、工具選定だけでなく、切削条件、保持剛性、ワーク状態を揃えて評価することが重要です。USN100は、衝撃と加工硬化を考慮した量産旋削において、条件の見える化と継続的な工程改善を進めるためのCBNインサート選択肢です。
加工対象物、数量、および必要な工具についてお知らせください。弊社チームが最適なソリューションをご提案いたします。