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淬硬鋼精加工における全貼面CBNインサートの選定と加工条件の見極め方

Henan UHD Ultrahard Tools Co., Ltd
2026-08-12
業界ガイド
UHDが、淬硬鋼の連続・量産精加工に用いる全貼面CBNインサートについて、切削形態、材種、仕様、チップブレーカおよび粗加工・強断続切削における適用境界を解説します。
淬硬鋼の連続精加工向けに、全貼面CBNインサートと加工条件を示すイメージ

淬硬鋼の量産精加工では、加工能率だけでなく、切れ刃摩耗による寸法変動、表面品質、バリ、切りくず処理、工具交換による停止時間までを総合的に確認することが重要です。UHD(Henan UHD Ultrahard Tools Co., Ltd)の全貼面CBNインサートは、上面全体にCBN層を配置した転位式インサートであり、安定した保持条件下で行う高硬度材の連続的な精加工・量産加工を主な対象としています。

全貼面CBNインサートとは

全貼面CBNインサートは、インサート上面をCBN材料で広く覆う構造を採用した切削工具です。局部的なCBN層を持つ構造と比べ、使用可能な切れ刃をより有効に活用しやすく、複数回の転位使用に対応します。淬硬鋼のような高硬度材を連続切削する工程では、切れ刃形状と摩耗状態を安定させることが、加工寸法と表面状態のばらつきを抑える基盤になります。

上面全面のCBN層 有効切れ刃の活用を考慮した、転位式インサートの構造です。
耐摩耗性への配慮 高硬度材の精加工で、摩耗に起因する加工変動の抑制を支援します。
チップブレーカの設計余地 用途に応じた溝形状の検討により、排出性とバリの課題に対応します。

淬硬鋼精加工で確認したい加工課題

長時間の連続加工や自動化ラインでは、単に初期の切削性能を見るだけでは十分ではありません。全貼面CBNインサートの選定では、工程全体の安定性に関わる次の事項を確認します。

  • 切れ刃摩耗と寸法変動:摩耗の進行により寸法が変動し、交換頻度や停止時間が増えていないか。
  • 表面品質とバリ:仕上げ面のばらつき、エッジ部のバリ、後工程の修正負荷が課題になっていないか。
  • 切りくず処理:切りくずの絡みや排出不良が、設備稼働や加工サイクルに影響していないか。
  • 工程集約の可能性:要求表面品質を満たす条件では、後続の研削・研磨工程を見直せる可能性があるか。

選定の基本:材料だけでなく加工条件を合わせて判断

CBNインサートの適合性は、被削材名だけでは決まりません。淬硬鋼精加工用の全貼面CBNインサートを検討する際は、材料・加工・設備・要求品質を一体として確認する必要があります。

  1. 被削材と硬度:材質、熱処理状態、硬度および組織を確認します。
  2. 加工工程:粗加工、半精加工、精加工のどの段階かを明確にします。
  3. 切削形態:連続切削か、軽微な断続を含むか、強い衝撃を伴う断続切削かを見極めます。
  4. 切削条件:切込み、送り、切削速度、加工代、クーラントの使用条件を整理します。
  5. 設備と保持:工作機械の剛性、チャック・治具の保持剛性、ワークの振れを確認します。
  6. 品質要件:目標表面粗さ、寸法公差、エッジ品質、許容される工具寿命を共有します。

チップブレーカが担う役割

全貼面構造では、CBN層の厚みを活かして、用途に応じたチップブレーカの圧制・研削を検討できます。チップブレーカは切りくずの流れを整えるための要素であり、加工物、送り、切込み、切削形態と整合して初めて機能します。

検討のポイント:切りくずが長く絡む場合は、単独でインサート形状を変更するのではなく、送り・切込み・ノーズR・ホルダの保持状態を含めて評価します。バリや表面粗さに課題がある場合も、刃先処理と加工条件を併せて確認することが必要です。

適用に向く条件と適用境界

確認項目 適用を検討しやすい条件 注意・適用外となりやすい条件
加工目的 淬硬鋼など高硬度材の半精加工・精加工 大きな加工代を除去する粗加工
切削形態 安定した連続切削を中心とする量産工程 強い衝撃を伴う断続切削、急激な負荷変動
設備・保持 安定したクランプと十分な剛性を確保できるNC旋盤・自動化ライン 保持不良、過大な振動、剛性不足がある状態
被削材 用途条件を確認した淬硬鋼等の高硬度材 有色金属、オーステナイト系ステンレス鋼、対象外の高硬度合金鋼

※ 強断続切削や大きな衝撃負荷では、CBN層の欠け・損傷リスクが高まるため、本製品の主な適用範囲とは異なります。実加工条件に基づく確認を推奨します。

掲載仕様と材種情報

以下は全貼面CBNインサートの掲載仕様です。形状、サイズおよびノーズRは、ホルダと加工部位に適合することを確認してください。掲載の材種は主として鋳鉄加工向けの適用情報であり、淬硬鋼精加工への適合は、個別の被削材・硬度・切削条件に基づきUHDへご相談ください。

材種 特長 主な適用条件 被削材・加工
UPN801 耐摩耗性と耐衝撃性を考慮した材種 低速の断続旋削またはフライス加工 合金鋳鉄、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄の粗加工・半精加工。自動車部品、超硬ロールリングなど。
BN91 耐摩耗性と耐熱性を考慮した材種 高速連続切削 合金鋳鉄、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄の半精加工・精加工。自動車部品、超硬ロールリングなど。
対応材種 ISO仕様 L IC / φIC S R
UPN801 / BN91 CCGW060204-Q 6.35 6.35 2.38 0.4
SCGN120404-Q 12.7 12.7 4.76 0.4
DNGN070204-Q 6.35 6.35 2.38 0.4
DCGW070204-Q 6.35 6.35 2.38 0.4
TNGN080204-Q 8 4.76 2.38 0.4
RNGN050400-Q 5 5 4.76

※ 上記以外の仕様についてはお問い合わせください。

導入時に共有いただきたい情報

適切なCBNインサート選定とチップブレーカの技術協議を進めるため、以下の情報をご用意いただくと判断が円滑になります。

ワーク材質・硬度 加工工程と加工代 連続・断続切削の状態 切削速度・送り・切込み 目標粗さ・寸法公差 現用工具の寿命と損傷形態 機械・ホルダ・保持条件

UHDによる仕様確認と技術協議

UHDは、標準仕様の確認に加え、インサート形状、CBN層厚み、チップブレーカおよび用途条件に関する技術協議に対応します。淬硬鋼の連続量産精加工で、工具寿命、寸法安定性、表面品質、切りくず処理のバランスを見直したい場合は、実際の加工情報をもとに適用条件をご相談ください。

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