淬硬鋼の量産精加工では、加工能率だけでなく、切れ刃摩耗による寸法変動、表面品質、バリ、切りくず処理、工具交換による停止時間までを総合的に確認することが重要です。UHD(Henan UHD Ultrahard Tools Co., Ltd)の全貼面CBNインサートは、上面全体にCBN層を配置した転位式インサートであり、安定した保持条件下で行う高硬度材の連続的な精加工・量産加工を主な対象としています。
全貼面CBNインサートは、インサート上面をCBN材料で広く覆う構造を採用した切削工具です。局部的なCBN層を持つ構造と比べ、使用可能な切れ刃をより有効に活用しやすく、複数回の転位使用に対応します。淬硬鋼のような高硬度材を連続切削する工程では、切れ刃形状と摩耗状態を安定させることが、加工寸法と表面状態のばらつきを抑える基盤になります。
長時間の連続加工や自動化ラインでは、単に初期の切削性能を見るだけでは十分ではありません。全貼面CBNインサートの選定では、工程全体の安定性に関わる次の事項を確認します。
CBNインサートの適合性は、被削材名だけでは決まりません。淬硬鋼精加工用の全貼面CBNインサートを検討する際は、材料・加工・設備・要求品質を一体として確認する必要があります。
全貼面構造では、CBN層の厚みを活かして、用途に応じたチップブレーカの圧制・研削を検討できます。チップブレーカは切りくずの流れを整えるための要素であり、加工物、送り、切込み、切削形態と整合して初めて機能します。
検討のポイント:切りくずが長く絡む場合は、単独でインサート形状を変更するのではなく、送り・切込み・ノーズR・ホルダの保持状態を含めて評価します。バリや表面粗さに課題がある場合も、刃先処理と加工条件を併せて確認することが必要です。
| 確認項目 | 適用を検討しやすい条件 | 注意・適用外となりやすい条件 |
|---|---|---|
| 加工目的 | 淬硬鋼など高硬度材の半精加工・精加工 | 大きな加工代を除去する粗加工 |
| 切削形態 | 安定した連続切削を中心とする量産工程 | 強い衝撃を伴う断続切削、急激な負荷変動 |
| 設備・保持 | 安定したクランプと十分な剛性を確保できるNC旋盤・自動化ライン | 保持不良、過大な振動、剛性不足がある状態 |
| 被削材 | 用途条件を確認した淬硬鋼等の高硬度材 | 有色金属、オーステナイト系ステンレス鋼、対象外の高硬度合金鋼 |
※ 強断続切削や大きな衝撃負荷では、CBN層の欠け・損傷リスクが高まるため、本製品の主な適用範囲とは異なります。実加工条件に基づく確認を推奨します。
以下は全貼面CBNインサートの掲載仕様です。形状、サイズおよびノーズRは、ホルダと加工部位に適合することを確認してください。掲載の材種は主として鋳鉄加工向けの適用情報であり、淬硬鋼精加工への適合は、個別の被削材・硬度・切削条件に基づきUHDへご相談ください。
| 材種 | 特長 | 主な適用条件 | 被削材・加工 |
|---|---|---|---|
| UPN801 | 耐摩耗性と耐衝撃性を考慮した材種 | 低速の断続旋削またはフライス加工 | 合金鋳鉄、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄の粗加工・半精加工。自動車部品、超硬ロールリングなど。 |
| BN91 | 耐摩耗性と耐熱性を考慮した材種 | 高速連続切削 | 合金鋳鉄、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄の半精加工・精加工。自動車部品、超硬ロールリングなど。 |
| 対応材種 | ISO仕様 | L | IC / φIC | S | R |
|---|---|---|---|---|---|
| UPN801 / BN91 | CCGW060204-Q | 6.35 | 6.35 | 2.38 | 0.4 |
| SCGN120404-Q | 12.7 | 12.7 | 4.76 | 0.4 | |
| DNGN070204-Q | 6.35 | 6.35 | 2.38 | 0.4 | |
| DCGW070204-Q | 6.35 | 6.35 | 2.38 | 0.4 | |
| TNGN080204-Q | 8 | 4.76 | 2.38 | 0.4 | |
| RNGN050400-Q | 5 | 5 | 4.76 | — |
※ 上記以外の仕様についてはお問い合わせください。
適切なCBNインサート選定とチップブレーカの技術協議を進めるため、以下の情報をご用意いただくと判断が円滑になります。
UHDは、標準仕様の確認に加え、インサート形状、CBN層厚み、チップブレーカおよび用途条件に関する技術協議に対応します。淬硬鋼の連続量産精加工で、工具寿命、寸法安定性、表面品質、切りくず処理のバランスを見直したい場合は、実際の加工情報をもとに適用条件をご相談ください。
加工対象物、数量、および必要な工具についてお知らせください。弊社チームが最適なソリューションをご提案いたします。