自動車伝動系の従動歯車では、焼入れ後の精加工において、寸法精度、表面品質、長時間稼働時の再現性を同時に管理する必要があります。特に小切込みでの軽微な断続切削では、単に加工可能であるだけでなく、工具摩耗に伴う品質変動を抑え、安定した自動化生産につなげることが重要です。
河南優徳超硬工具有限公司(UHD)は、20CrMnTiH、硬度HRC58~62の自動車従動歯車に対し、Composite Brazed CBN Insert UPN605を用いた精加工方案を提案しました。本事例では、既存設備、乾式切削条件、および加工タクトを変更せずに導入し、工具寿命と加工一致性の改善を検証しています。
対象は、浸炭焼入れ後にHRC58~62となる20CrMnTiH製の自動車従動歯車です。端面および外径を対象とした小切込み精加工であり、加工中には軽微な断続切削が伴います。
従来使用されていたセラミックインサートは基本的なタクト要件を満たしていた一方、小切込み加工時の刀目、摩耗後の寸法変動、工具寿命、および頻繁な工具交換によるライン稼働への影響が課題となっていました。
導入条件:既存の設備や加工タクトを変更せず、工具の置換によって精加工プロセスの安定性を高めることが求められました。
UHDは、Composite Brazed CBN Insert UPN605(CNGA120408)を採用し、小切込み域での安定切削と量産時の品質一貫性に焦点を置いた工具方案を構成しました。目的は切削速度の引き上げではなく、既存の加工枠組みの中で、寿命と安定性の管理幅を拡げることです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 被削材 | 20CrMnTiH、HRC58~62 |
| 加工内容 | 端面・外径の精加工、軽微な断続切削 |
| 使用インサート | UHD UPN605、CNGA120408 |
| 切削方式 | 乾式切削 |
| 切削速度 Vc | 130 m/min |
| 切込み ap | 0.07 mm |
| 送り f | 0.08 mm/rev |
既存条件を維持した等条件での置換検証により、設備改造やタクト変更を伴わずに工具性能の差異を確認しました。
| 評価項目 | 従来のセラミックインサート | UHD Composite Brazed CBN Insert UPN605 |
|---|---|---|
| 加工タクト | 12秒/個 | 12秒/個を維持 |
| 工具寿命 | 150個/刃 | 1,000個/刃 |
| 表面品質 | 刀目が目立ち、粗さの変動が発生 | 刀目が低減し、品質変動が収束 |
| 量産時の安定性 | 摩耗に伴う寸法変動と交換頻度が課題 | 寸法推移と工具交換頻度の改善に寄与 |
同一条件下で、工具寿命は1刃あたり150個から1,000個へ向上し、約570%の寿命向上となりました。加えて、長時間加工における表面品質および寸法の安定性が改善されました。
工具交換回数の低減により、交換作業や停止によるタクト変動を抑える方向で運用できます。
摩耗進行時の加工品質のばらつきを抑えることで、量産における寸法管理の予測性向上に役立ちます。
工具単価だけでなく、寿命、交換作業、停止時間、品質管理を含めた総合的な運用コストを検討しやすくなります。
本事例の考え方は、従動歯車に限らず、焼入れ鋼製のギヤ、軸受部品、伝動部品などで、以下のような条件を持つ精加工に適用検討できます。
工具選定の視点:焼入れ鋼の小切込み精加工では、最高速度のみを追求するのではなく、寿命期間全体での表面品質、寸法推移、工具交換頻度を含めて評価することが、安定した量産加工につながります。
UHDは、CBN・PCD超硬切削工具の製造とカスタム対応を通じて、焼入れ鋼、難削材、量産精密加工向けの工具選定と加工条件の検討を支援しています。従動歯車をはじめとする部品の加工課題については、被削材、硬度、加工内容、現行工具、切削条件をもとに、適合する工具方案をご相談いただけます。
加工対象物、数量、および必要な工具についてお知らせください。弊社チームが最適なソリューションをご提案いたします。