焼入れ鋼・鋳鉄・粉末冶金材料の量産加工では、工具単価だけでなく、刃先が何個の良品を加工できるか、交換のために何分停止するかが導入判断を左右します。コーティングCBNインサートの評価でも、摩耗の進行、寸法の安定性、表面品質を合わせて確認することが重要です。
UHD(Henan UHD Ultrahard Tools Co., Ltd)は、CBN基体にPVDによる耐摩耗コーティングを施したインサートを提供しています。非コーティングCBNとの比較では、被削材・切削条件・寿命判定基準をそろえ、刃先当たりの良品数と交換停止時間を実測することで、対象工程での導入価値を判断します。
UHDのコーティングCBNインサートは、CBN基体とTiAlN、TiN、TiCNなどの多層耐摩耗コーティングを組み合わせた切削工具です。基体の特性と表面の耐摩耗性を組み合わせ、切削摩擦やクレータ摩耗、酸化摩耗への対策を図ります。具体的なコーティング構成と適用条件は、選定する製品に応じて確認が必要です。
特に、寸法公差や表面粗さの管理が重要な量産工程では、工具が破損するまでの加工数ではなく、要求品質を維持できる範囲での刃先寿命を評価します。
コーティングの有無を比較する場合、可能な限り基体材種、インサート形状、刃先処理をそろえます。これらが異なる場合は、コーティング単独の効果ではなく、工具仕様全体の比較として扱います。
同一条件での比較後に切削速度などを変更する場合は、別の最適化試験として記録してください。寿命評価と加工能率の評価を分けることで、改善要因を整理しやすくなります。
下表は比較試験で記録する項目です。性能比較の実測結果や、寿命延長率を示すものではありません。
| 評価項目 | 記録する内容 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 刃先当たりの良品数 | 寿命判定までに得られた良品の個数 | 同じ品質基準で比較する |
| 摩耗・欠損 | 一定加工数ごとの摩耗量、刃先状態、寿命に達した原因 | 摩耗進行と突発的な欠損を分けて確認する |
| 工具交換回数 | 同じ良品生産数に対する刃先割出し・インサート交換の回数 | 刃先消費数と実際の交換作業回数を区別する |
| 交換に伴う停止時間 | 交換、補正、初品確認を含む停止時間 | 工具交換作業だけでなく、加工再開までを測る |
| 加工品質 | 寸法推移、表面粗さ、不良数 | 寿命末期まで品質を維持できるかを見る |
| 良品当たりの工具費 | 評価期間の工具消費費用と良品数 | 工具単価の差を加工数で評価する |
コーティングCBNインサートは、コーティングの有無だけで選ぶ工具ではありません。UHDの材種情報では、次のように加工条件ごとの候補を整理できます。
断続切削への対応は材種ごとに異なります。強い衝撃や重断続ではコーティング剥離や刃先欠損のリスクがあるため、対応材種であっても、実際の断続形状、切削条件、保持剛性に基づく確認が必要です。
必ず長寿命になるとは限りません。摩耗が主な寿命要因の工程と、衝撃による欠損が主な工程では結果が異なります。刃先当たりの良品数に加え、寿命に達した原因を記録して判断します。
同じ割合で減るとは限りません。交換手順、刃先割出し、補正作業、初品確認、計画停止との組み合わせによって変わります。同じ良品生産数に対する実際の交換回数と停止時間を比較してください。
UHDのコーティングCBNには湿式冷却加工に対応する仕様があります。ただし、すべての材種・条件に共通するものではありません。適用可否を確認し、比較試験中はクーラントの使用条件を統一します。非コーティングCBNを一律に乾式専用とみなす必要もありません。
本製品は非鉄金属やオーステナイト系ステンレス鋼の加工を対象としていません。粉末冶金材料についても、材質や硬さなどを確認したうえで適用を判断します。
UHDは、標準コーティングCBNインサートに加え、非標準工具のカスタマイズと切削条件の最適化に関する技術支援に対応しています。ご相談の際は、次の情報をご共有ください。
これらの情報をもとに材種・形状の候補と比較条件を整理し、対象工程での刃先寿命、工具交換回数、良品当たりの工具費を検証していきます。
加工対象物、数量、および必要な工具についてお知らせください。弊社チームが最適なソリューションをご提案いたします。